虫むし倶楽部一時休会のお知らせ

2022年に立ち上げた虫むし倶楽部ですが、昨年2023年は部長である守屋が膝を負傷し計画どおりに進められない事態となってしまいました。こんな状況の中で3年目に突入したのですが、新たな問題に直面し表題の判断をせざるを得ない状況となってしまいました。

住んでいる地域での役員を受けざるを得ず、今年から数年間はこの状況から抜け出すことが出来ず、活動の中心となる土曜日や日曜日に予定が多く入ってしまい、虫むし倶楽部を運営することが難しくなってしまったためです。

今まで虫のことをもっと知りたい、学びたいと参加していただいた方、あるいはこれから参加しようと考えていた方には大変申し訳ありませんが、再開する日を期待していただければ幸いです。またお会いできることを楽しみにしています。

なお、本ホームページの「春夏秋冬-養老の森と道志村から-」は、引き続き随時掲載していきますので、よろしければご覧になってください。

    2024年3月20日     虫むし倶楽部 部長 守屋博文

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

虫むし倶楽部も、おかげさまで3年目を迎えることができました。

昨年は部長の膝故障により、計画どおりに進められず、参加者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。3年目は今までのように毎月の実施が難しくなり、回数が減ってしまいますが、可能な日程の計画に無理のない範囲で参加いただければと思います。また、今年は養老の森開設10周年を迎え、各種イベントがありますのでこちらにもぜひご参加いただければと思います。

写真のオニヤンマですが、昆虫の中ではトンボ目に属し、学名ではOdonata、英名でDragonflyということで、辰年にちなんで取り上げてみました。道志村でも広い範囲で見ることが出来る1種です。

本年もよろしくお願いいたします。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

春?夏?冬?

5月20日(土)、今年3回目の虫むし倶楽部を開催しましたが、天気予報と裏腹に小雨が降り続ける肌寒い日となってしまいました。このため、午前中は先月採集した昆虫の展翅や展脚を行い、午後は森林整備の間伐体験、夜間は予定通り灯火を道志ベースに設置し、そこに集まる昆虫を観察、採集しました。灯りを点灯して少しすると、カゲロウやトビケラなどの水生昆虫が飛来してきました。これをきっかけに小型のガが集まり始め、数を増していきます。コガネムシやゾウムシ、ゴミムシなども飛来しましたが数は多くありません。終盤にはオオミズアオが飛来し、子どもたちは大忙しでした。

(浅子薫さん撮影)

このところ、気温の変化が激しい日々が続いています。春らしいそよ風に揺れる新緑に見とれる日があると思えば、30℃を超える暑さに大汗をかいて山道を歩く日があり、また厚手の上着を探し出してはおらないといけないような日と、どうなっているんでしょう?こんな中での、虫むし倶楽部開催翌日の半日ほど、養老の森やネイチャーランドオム、その周辺を散策し生き物の観察を行いました。

ネイチャーランドオム入り口にある茅葺古民家周辺には一般住宅や別荘があり、畑や花壇、植木の植栽、草地などの環境が広がっています。こんな場所で目を引いたのは、優雅に滑るように飛翔するウスバシロチョウです。そろそろ産卵時期と思われ、メスの個体が産卵場所を探している様子がうかがえました。そんな場所の花にいたのはコアオハナムグリ。成虫で越冬し暖かくなると花に飛来し花粉をむさぼり食います。アジサイの植栽の葉の上には、ウラギンヒョウモンが飛来し翅を休めていました。

道沿いの葉には、暖かい地方に生息していたヨコヅナサシガメが、落ちないようにしっかりとつかまっています。凹凸のある樹木の樹皮でよく見られますが、風で落ちてきたのでしょうか。畑に植えられた栗の木の葉先には、オトシブミの仲間のゆりかごがつる下がっています。左のラッパ上に丸められたものはミヤマイクビチョッキリ(矢印白)、右側の俵状に丸められたものはゴマダラオトシブミ(矢印赤)のゆりかごです。メスは葉を丸めながら内側に卵を1つ産み、ふ化した幼虫はその葉を食べて育ちます。

雫カフェでお昼を食べ、歩き始めてすぐのお花畑で観察していると、あまり見ることのないヒゲブトハナムグリが花に止まっていました。草地の地上50cmくらいを、とてもコウチュウとは思えない飛び方でハエのように飛び回っています。そんな草花の間をのぞいていると、大きなおなかをしたヒメツチハンミョウを発見。おなかが重いのか動きはゆっくりです。この虫もカブトムシやクワガタ虫と同じコウチュウの仲間ですが、ユニークな生態をしています。

養老の森周辺には、数本の川が流れています。今の時期どこでも見られるのがアサヒナカワトンボです。透明や赤褐色の翅は雌雄の違いや地域により変化があります。このあたりでは、オスは透明と赤褐色、メスは透明の翅がみられます。水辺に目を移すと、流れの緩やかな場所にひときわ大きなオオアメンボが悠々と滑るように移動し獲物を見つけています。川沿いの草の葉には、カメノコテントウの幼虫が歩いていました。この幼虫はクルミ類の葉を食べるクルミハムシの幼虫を捕食して育つのですが、木の上から落ちてきたのでしょうか。

歩いていると、山のほうからハルゼミの鳴き声が多く聞こえてきました。この季節特有のセミで、マツ林がないと生息しない種類です。高木の高い場所に止まって鳴いているため、姿を確認することはできませんでしたが、雲が出ると鳴き止み、晴れると鳴き始め、時に合唱となるこの季節の風物詩です。抜け殻を探そうとマツ林を歩きましたが、残念ながら見つけることはできませんでした。そんな場所で見つけたのが、枯れて切り倒されたアカマツの樹皮についていたヒトクチタケというキノコの一種です。お饅頭のような形で、下部に小さな穴が開いているところからこの名がつけられたそうです。木から一つ採取し穴をこじ開けたところ、クロハサミムシが飛び出してきました。このキノコには他にもゴミムシダマシやケシキスイ、ハネカクシの仲間が潜んでいて、虫の宝石箱のようなキノコです。

良い場所を見つけたと思いながら意気揚々と帰路についた時、私の最大のライバルに出会ってしまいました。アオダイショウの体長は冷静な目で見ると1.5~1.8mほどだったでしょうか、見つけた瞬間には10mほどの大蛇に見えました。おなかの真ん中が少し膨らみ、何かを飲み込んだことがうかがえます。この後下山するまで、細長いものがすべてヘビに見えてしまったことは言うまでもありません。

決して広い範囲の場所を長い時間歩いたわけではありませんが、歩くたびに新たな発見に出会い、季節を感じ、自然の不思議を提供してくれ、好奇心をかきたててくれる場所が身近にある道志村です。これからもそんな道志村の、虫を中心とした情報を紹介できればと思います。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

オオバアサガラを取り巻く虫たち

オオバアサガラは、林道整備や土砂崩れなどの後生育する、川沿いなどでよくみられるパイオニア種の樹木です。4月下旬に道志村養老の森を歩いた時にはまだ花が咲いていませんでしたが、ブドウの房のようなつぼみを持った花穂が垂れ下がっていました。

今回はオオバアサガラの葉の上で休んでいた虫たちや、歩きながら見つけたものを紹介します。まず目に飛び込んできたのは、緑色の葉に目立った黒色をしたハダカヒゲボソゾウムシと赤色のオニアカハネムシです。ハダカヒゲボソゾウムシはあちらこちらの葉の上や葉柄などで見ることができました。

少し進んで行くと、道沿いのニホンジカの糞に来ていたオオセンチコガネを発見。脅かしたつもりはないのですが、動かずに固まっていました。守屋に見つかると採集されてしまうといううわさが、虫たちの間で広まっているのかもしれません。

オオセンチコガネに別れを告げ、少し進んだ道沿いのスギの切り株周辺に、何か事件を感じる現場を発見。早速探偵気分で周辺を現場検証すると、5メートル四方ほどの範囲の中に5か所ほどの惨状を確認できました。被害にあったのはヤマドリ。最初はワシタカ類の仕業かと思ったのですが、ちょっと雰囲気が違うところがあり、可能な範囲で落ちた羽根を回収しました。持ち帰って地元の方に見せたところ、ニホンギツネの仕業ではないかとのお話をいただき納得した次第です。持ち帰った羽根は、部位ごとに並べて台紙に張り、資料として保存できればと考えています。

帰り際、オオバアサガラの葉に目を向けると葉の色と同化したワカバグモが、獲物を待ち構えて前脚を大きく広げています。近くには小さなシマバエ科の一種が休んでいました。

短時間でしたが、春の養老の森を堪能した一時でした。今年は桜の開花が早く、どうなることかと思っていたのですが、案の定他の樹木や草の開花も早くなっていました。

オオバアサガラのまぶしいほどの新緑は、少し疲れた身体を浄化してくれたような気がします。木々や草花は虫たちにとって重要な存在ですが、人間にとっても大切な恩恵をもたらしてくれる存在であることを、忘れてはいけないと感じました。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

虫むし倶楽部 2023年スタート!

虫むし倶楽部2年目がスタートします。ホームページの内容を2023年版に更新し、新たに2023年版チラシが直接選択できるようになりました。

今年はスタートが少し早まり、3月からとなります。また、灯火採集実施の期間も5月からと早め、さらに昼間も十分な採集や観察ができるよう、午前10時からとしました。

参加条件は、養老の森「昆虫まめ博士認定観察会」に2回以上参加した方と限られますが、今年の観察会も予定通り計画されていますので、条件を満たしていない方はぜひ養老の森ホームページもチェックしてみてください。倶楽部の詳細は毎月更新する年間計画を確認いただき、ご都合のつく範囲で無理なく参加いただければと思います。今年もよろしくお願いいたします。

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます。

虫むし倶楽部も、おかげさまで2年目を迎えることができました。

2年目の予定は2月に入ってお知らせする予定です。虫熱が冷めていない方は、ぜひチェックしていただき、可能な日程の計画に、無理のない範囲で参加いただければと思います。

写真のマダラカマドウマですが、地方によってはヤマウサギやウサギムシなどと呼ばれています。一番よく言われているのは便所コオロギかもしれませんが、年の初めですので兎年にちなんで可愛く見ていただければと思います

本年もよろしくお願いいたします。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

虫むし倶楽部今シーズン終了!

11月13日の日曜日、今シーズン最後の虫むし倶楽部を開催しました。思えば8月の活動日が雨で中途半端な開催だったのですが、あとは天気に恵まれ無事に終えることができました。参加者は各回1人から5人と決して多いとは言えないのですが、マンツーマンでいろいろな話や指導ができ、結果的に良かったと思っています。

今回の虫むし倶楽部の内容は盛りだくさんでした。午前中は鳥の巣箱かけとインセクトホテルの作業、午後は今までに採集した昆虫の標本化と同定作業です。

養老の森や道志ベース周辺でも、シジュウカラやヤマガラといった小鳥をよく観察することがあります。今回道志ベースに設置した巣箱は、これくらいの大きさの鳥の利用を期待したものです。虫とは直接関係はありませんが、生物の多様性を願う中で鳥たちの存在も大切なものです。部員のY君が、脚立があるにもかかわらずサルのごとく木を登り、準備万端です。下から巣箱を渡し、あとはY君頼みで木の幹に麻縄で縛り付け完了。下では部員のJ君が見守っていました。ねぐらとしての利用を期待し、あわよくば来春繁殖に利用してもらえることを祈っています。

午前中のもう一つの大仕事がインセクトホテルの完成形を目指した作業です。インセクトホテルは、虫やその他の生き物の冬越しを援助し、棚に設置する材料によっては繁殖の手助けにもなるという期待が寄せられます。「養老の森 虫の宿」と名付けられた外枠は、近くにお住いのクラフト作家Tさんの力作。この枠の中に生き物の冬越しをイメージして、様々なものを詰めていきます。部員たちに何を詰めるかは考えさせ、作業開始です。下段には近くに落ちているスギの木の枝を詰め、中段中央には道志ベースにおいてあったスギの薪、その両サイドには広葉樹の木の幹や枝先を詰め込みました。最後は上段ですが、一方にはスギの皮と枝先、もう一方には近くに落ちていたホオノキの葉を集めて詰め込んでいました。感心したのは、生き物は飛んでくるだけではなく、歩いてくるかもしれないので、両側に架け橋を架けていたことです。事前に用意ができず現場対応で材料を調達したため、少し偏りがありましたが、どんな生き物が利用してくれるか楽しみです。来春の虫むし倶楽部では、枠ごとにどんな生き物が棲み着いているかを調べることになりました。

午後からは室内での作業です。今までに採集し、展翅や展脚が終了しているものに採集情報を書いたラベルを添付し標本箱に納めていきます。標本箱は養老の森顧問の養老孟司先生から、要らなくなったインロー箱をいただいたものです。チョウやトンボが好きな部員やコウチュウが好きな部員と様々ですが、初めて作った標本としてはなかなかの出来ではなかったかと思います。最後の作業は同定作業です。各自図鑑を見ながら、顕微鏡を使い細部を確認し、種を確定させ同定ラベルに種名を記載し標本に追加添付していきます。この作業は時間切れとなってしまいましたが、冬の間の作業として宿題となってしまいました。

部員たちの採集した標本データは、数年後に刊行を予定している『道志村昆虫調査報告書第2報』で公開していく予定です。虫むし倶楽部は、来年も継続していく予定で、現在年間計画を作成中ですが、計画を考えているだけでワクワクしてしまうのは大人げないでしょうか。一人でも多くの方に虫に興味を持っていただき、道志村の自然を満喫していただく機会を提供していくことができればと思いますので、来年もよろしくお願いいたします。

春夏秋冬-養老の森と道志村から-は、季節関係なく随時更新していきますので、興味のある方は是非ご覧になってください。(虫むし倶楽部 部長 守屋博文)

10月23日虫むし倶楽部開催!

10月の道志村は、一段と寒さを感じる季節となりました。ところがこの日は朝からお日様が顔を出してくれ、この時期としては暖かな日となりました。冬を成虫で過ごすキタキチョウやテングチョウ、キタテハなどが暖かさに浮かれて飛び交い、オオセンチコガネは地面を移動し、赤紫色の翅を輝かせて飛翔する個体も見られました。部会員たちは捕虫網で枝先をたたいて虫を落とし、スイープして草の中から虫を採集していました。

道沿いにはアザミやサラシナショウマ、キク科の仲間が咲き、花にはアブやハエ、ガガンボの仲間が訪れていました。数は少ないものの、リンドウの青い花びらには目を奪われます。

今回の虫むし倶楽部では、午前中に養老の森とネイチャーランドオム入口の古民家周辺を散策し、チョウやトンボ、コオロギ、カメムシ、ナナフシなどの仲間を採集し、午後は過去に採集した虫の標本化とラベルや同定ラベルをつける作業を行いました。午前中の最後には、部会員の一人がトビナナフシの仲間を見つけましたが、ニホントビナナフシかヤスマツトビナナフシかよくわかりません。卵を産ませて種を確定させるために持ち帰り、後日数個の卵を産卵し、ヤスマツトビナナフシであったことを確認しました。

いよいよ来月は今シーズン最終回となる虫むし倶楽部。5月から採集した昆虫の標本整理を完了させ、同定し、標本箱に納め、データベースに情報を入力していきます。虫むし倶楽部の活動で採集した昆虫類の記録は、養老の森5周年記念事業の一環として発行された『山梨県道志村昆虫調査目録-養老の森を中心として-』の第2報として、養老の森10周年記念事業の中で発行予定です。今後も虫好きの好奇心や探求心を継続させ、多くの情報を記録し、養老の森や道志村の生物多様性を明らかにしていくための基礎資料を蓄積していくことができればと思います。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

暑さ全開!道志村

7月末の2日間、暑さ全開の道志村に滞在しました。1日目は虫むし倶楽部で養老の森を散策し、夜は道志ベースで灯火採集でした。そんな合間や2日目の午前中に林道沿いを歩いてであった虫たちを紹介します。

暑さのせいかあまり虫たちが活動していません。セミは大違いで、アブラゼミを筆頭にミンミンゼミニイニイゼミが鳴き、遠目からエゾゼミの鳴き声がします。少し気温が下がると一斉にヒグラシが鳴き始め、スギ林の中を歩いていると目の前を飛び交っていました。今年初めて聞いたのがツクツクボウシです。少し発生が早いような気がしますが、ここ数年この現象は続いているようです。

大きなケヤキの木肌を黒い粒が動き回っているので近づくと、アリの大群が。さらに目を凝らしてよく見ると、アリが集まっている中央にヤノクチナガオオアブラムシが、長い口器を木に突き刺して汁を吸い、アリに催促され蜜を背中のあたりから出し与えている。同じく木の葉の支脈から汁を吸っていたのがテングアワフキ。シャッターを切った後すぐに、ピョンと飛んで逃げていきました。木の葉と同じような色をした毛虫を発見。下向きにつかまり葉を食べていたのはリンゴドクガの幼虫。このガは背中に黒い毛の束があり、通常は見えませんが刺激を与えると背中を丸めて見せつけてきます。少し木の枝で突いていじめてみたのですが、よほど良い人に見えたのか変化がありませんでした。道際に自生している山のクリも、秋の準備が進み立派な実をつけていました。

林道を歩いていくと、草地のアザミにカツオゾウムシがしっかりと茎につかまっていました。赤い粉が良く目立ちますが、時間がたつとなくなってしまい、すぐにカツオゾウムシかどうかわからなくなってしまいます。すぐ近くのクズの葉の上には、クダマキモドキ類の幼虫がじっとしています。秋までで頑張れ!目を林の中に移すと、少し大きめの黒っぽいチョウがひらひらと飛んでいます。葉の上に止まったところをパチリ!寒冷地にはあまりなじみのないクロコノマチョウでした。もともと太平洋側の暖地に生息していたものが、分布を拡大しています。ただし寒冷地では冬を越せず死に絶えてしまいます。今回みられたクロコノマチョウも、道志川下流地域で春から夏に発生したものが、上流へ飛来してきたものと思われます。川沿いのためか、アブラチャンが多く、実をいっぱいつけていました。

川の縁に出てすぐ見つけたのがオニヤンマです。なかなか止まってくれず写真が撮影できなかったため、捕獲してアップで1枚。いつみてもかっこいい虫のⅠ種です。川まで下りて見下ろすと、穏やかな流れにシマアメンボが群れていました。流れてくるものや落下するものに反応し、せわしく動き回っています。すぐ近くには栃の実をいっぱいつけたトチノキの大木がありました。

車を駐車した近くにハンノキ類の低木があり、葉が食べられた跡が目立ったので近づいてみると、まず目に入ったのがハンノキハムシで、さらに調べているとルリハムシが幼虫と一緒に葉を食べていました。最後に見られた虫はアカハナカミキリヨツスジハナカミキリです。この時期良く咲いているシシウドの花には、ハナカミキリの仲間やアブやハチの仲間などたくさんの虫たちが集まっています。

驚くほどたくさんの虫たちに出会うことはできませんでしたが、真夏を感じることはできました。川沿いを歩いているとその風は涼しく、さすが道志村というところです。夏休みの期間、自然と接する子どもたちが少しでも多く道志村を訪れてくれることを期待したいです。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文

道志村は真夏突入!

6月19日に今年2回目の虫むし倶楽部を開催しました。活動中にはなかなか写真撮影ができないので、集合前などに撮影したものを中心に、養老の森や道志村の現在の様子を感じていただければと思います。

今日のスタートは養老の森下にある道志ベース。今年数が多く感じるのがヤマビルです。道志ベースでも砂利が敷かれた場所を離れて歩いていると、大小数匹がはっていました。写真のヤマビルは、靴下をはっていたものをはがして防虫スプレーをした後の状態です。

道志ベース付近を散策していると、近くの川から発生したのかアサヒナカワトンボも休んでいます。道志ベース付近で確認できるアサヒナカワトンボは今のところ伊豆個体群に分類されるようです。

その他にはイチモンジチョウやセスジナガカメムシ、ジョウカイボン、オオツマキヘリカメムシが見られました。

駐車場では、干からびたミミズをクロヤマアリの仲間が巣へ運び込むところで、近くではムネアカオオアリがガの翅を他のアリと取り合っていました。

すると、近くから大きな鳥の鳴き声がします。近くに行ってみるとガビチョウでした。他の鳥の鳴きまねをすることでも有名ですが、この時はガビチョウなりの鳴き方をしていました。いつもは藪の中で姿を隠していることが多いのですが、今回ばかりは、私を見てと言わんばかりに大サービスでした。

ガビチョウ

真夏を思わせる1日で、多くの虫たちを観察することができました。これからも道志村の自然をできる限り紹介していきますのでお楽しみに。