10月23日虫むし倶楽部開催!

10月の道志村は、一段と寒さを感じる季節となりました。ところがこの日は朝からお日様が顔を出してくれ、この時期としては暖かな日となりました。冬を成虫で過ごすキタキチョウやテングチョウ、キタテハなどが暖かさに浮かれて飛び交い、オオセンチコガネは地面を移動し、赤紫色の翅を輝かせて飛翔する個体も見られました。部会員たちは捕虫網で枝先をたたいて虫を落とし、スイープして草の中から虫を採集していました。

道沿いにはアザミやサラシナショウマ、キク科の仲間が咲き、花にはアブやハエ、ガガンボの仲間が訪れていました。数は少ないものの、リンドウの青い花びらには目を奪われます。

今回の虫むし倶楽部では、午前中に養老の森とネイチャーランドオム入口の古民家周辺を散策し、チョウやトンボ、コオロギ、カメムシ、ナナフシなどの仲間を採集し、午後は過去に採集した虫の標本化とラベルや同定ラベルをつける作業を行いました。午前中の最後には、部会員の一人がトビナナフシの仲間を見つけましたが、ニホントビナナフシかヤスマツトビナナフシかよくわかりません。卵を産ませて種を確定させるために持ち帰り、後日数個の卵を産卵し、ヤスマツトビナナフシであったことを確認しました。

いよいよ来月は今シーズン最終回となる虫むし倶楽部。5月から採集した昆虫の標本整理を完了させ、同定し、標本箱に納め、データベースに情報を入力していきます。虫むし倶楽部の活動で採集した昆虫類の記録は、養老の森5周年記念事業の一環として発行された『山梨県道志村昆虫調査目録-養老の森を中心として-』の第2報として、養老の森10周年記念事業の中で発行予定です。今後も虫好きの好奇心や探求心を継続させ、多くの情報を記録し、養老の森や道志村の生物多様性を明らかにしていくための基礎資料を蓄積していくことができればと思います。

虫むし倶楽部 部長 守屋博文